フリー画像サイトを徹底比較 「ぱくたそ」編

今回は、「ぱくたそ」(PAKUTASO)というフリー写真素材サイトの実力を検証してみます。「ぱくたそ」は個人が運営するストックフォトサービスで、管理者が厳選したカメラマンの写真を写真素材として無料提供しているサイトです。

ぱくたそ トップ画面
https://www.pakutaso.com/

もちろん、写真を利用するにあたって事前に許可を申請したり、クレジットを表記したりする必要はありません。誰でも、自由に、配布されている写真を利用できます。それでは早速、「ぱくたそ」の実力を検証していきましょう。

 

写真の数は少ないがクオリティは高い

まずは、いつものキーワードで写真を検索してみます。最初は、一般的なキーワードとなる「パスタ」で写真を検索した結果です。

パスタの検索結果

検索ヒット数は、たったの4件。写真のクオリティは「かなりのハイレベル」といえますが、あまりにも検索ヒット数が少なすぎます。ごくごく一般的なキーワードでこのヒット数では、「ニーズにあった写真」を見つけるのは難しいかもしれません。

 

続いては、「オリンピック」のキーワードで検索した結果。こちらはヒット数2件で、以下のような写真が見つかりました。「モノ」ではなく「イメージ」を検索するキーワードとはいえ、やはり「写真の数が絶対的に不足している」と言わざるを得ません。

オリンピックの検索結果

 

「ユニコーン」のキーワードで検索した結果は以下の1点のみ。軍用機の写真がヒットするだけで、動物のユニコーンは見当たりません。架空の動物なので、当然と言えば当然なのですが・・・。

ユニコーンの検索結果

 

「ピラニア」のキーワードに至っては検索ヒット数0件。「深海魚」のキーワードでは、以下の2点がヒットしました。

ピラニアの検索結果

 

全体的に見て、一般的なキーワードでも、難しいキーワードでも「検索ヒット数は極めて少ない」というのが正直な感想です。厳選されたカメラマンが撮影しているだけあって、写真のクオリティは高いのですが、とにかく数が足りません

このように、本連載が用意した方法で「ぱくたそ」を検証すると、散々な結果に終わってしまいます。もしかすると、『これでは使えないな・・・』と思う方もいるかもしれません。しかし、実はこれ、検証方法そのものが間違っていると考えることもできます。

 

人物写真にめっぽう強いのが「ぱくたそ」の特長

先ほどの検証結果からも分かるように、「ぱくたそ」で配布されている写真の数は決して多くはありません。にもかかわらず、ネットでは「ぱくたそ」の人気が高い。この理由は、人物写真が非常に豊富に揃っていることが原因です。

Webサイトの右側に用意されているカテゴリ検索を見ると、「人物・モデル」の写真点数が他のカテゴリより群を抜いて多いことに気付くと思います。また「企画・コラボレーション」の写真点数も2000件オーバーの写真が登録されています。

ぱくたそ カテゴリ検索

通常、人物を写した写真は、他のカテゴリより件数が少なくなる傾向があります。というのも、著作権だけでなく肖像権も絡む問題になるからです。写真を撮影した人が「この写真を使っていいよ」と考えたとしても、被写体となるモデルが拒否すれば、写真を配布することはできません。つまり「モノ」や「風景」の写真より素材提供が難しくなるのです。

プロのカメラマンも多く参加する「ぱくたそ」だからこそ、モデルの了承も得やすく、クオリティの高い人物写真を無料で配布できるのだと思います。

 

さらに、テーマに合わせた写真を豊富に用意していることも「ぱくたそ」の特長となります。画面上部にある「企画・コラボ一覧」のメニューをクリックすると、テーマ別の写真が数多く用意されているのを確認できます。

ぱくたそ 企画・コラボ一覧

たとえば、「カワイイ女の子」の写真を使いたい場合、「ムキムキのボディービルダー」の写真で力強さを表現したい場合、「壁ドン」の写真で恋愛をイメージさせたい場合など、テーマに合わせて写真を選ぶことができるのも「ぱくたそ」の魅力です。

女の子の人物イメージ 張り込みの人物イメージ

 

記事の内容を端的に示すアイキャッチ画像がなく、「顔の表情」「シチュエーション」の写真でイメージを膨らませたい場合に、「ぱくたそ」を利用してみるとよいかもしれません。一方、使用したい写真がハッキリと決まっている場合は、以前に紹介した「写真AC」「Pixabay」を利用した方が、検索ヒット数が多く、ニーズに合う画像を見つけられると思います。

 

「ぱくたそ」では厳選されたカメラマンの写真だけを配布しているため、クオリティの高い作品を短時間で見つけることができます。レベルの高い写真を見つけるために、検索結果を何ページも見ていく必要はありません。ヒット件数の割に「使える写真」が多いのも魅力の一つといえるでしょう。もちろん、会員登録などの面倒な作業を行う必要もありません。

ちなみに、「ぱくたそ」ではカメラマンやモデルの募集も実施されています。基本的に報酬は発生しないようですが、「我こそは!」と思う方は挑戦してみるのも面白いかもしれません。そのほか、Amazonギフト券(Eメールタイプ)を使った寄付(15円~)も募っています。継続してサービスが提供されるように、余裕がある方は寄付も検討してみるとよいでしょう。