日産リーフ(LEAF)、月額2000円で走り放題ってどういうこと?

日産リーフ(LEAF)の旅ホーダイ今回、紹介するのは、日産リーフ(LEAF)「旅ホーダイ」というサービスを紹介するCM。月額2,000円で電気自動車リーフを好きなだけ乗れるという画期的なサービスですが、これは一体どういうことなのでしょうか? まずは、YouTubeに公開されているCMを視聴してみてください。

 

 

月額2,000円で日本全国の充電器が使い放題!

このCMは、日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)の「使いホーダイプラン」を紹介するCM。このサービスに加入すると、全国に5,600基以上ある急速充電器を何回でも、好きなだけ、無料で使用できるようになります。ご存知のように、日産リーフ(LEAF)は100%電気だけで走る電気自動車。ガソリンを給油するのではなく、バッテリーに電気を充電することで動力源を補充する自動車となります。

日産リーフのオーナになり、このサービスに加入すると、月額2,000円で好きなだけ車に乗ることができます。2,000円という金額は、ガソリンに換算すると20リットルにも満たない金額。たったこれだけで走り放題となれば、燃料代をかなり節約できる計算になりますね。とっても魅力的なサービスに見えますが、果たして本当にそんなことが可能なのでしょうか? 気になったので少し調べてみました。

 

急速充電器の設置は意外と進んでいる!?

電気自動車を利用するにあたって最も気になるのは、「どこで充電できるか?」という問題。ガソリンスタンドのように、「ちょっと走れば見つかるだろう」という感覚で運転する訳にはいきません。バッテーリー残量に注意しながら、ある程度は計画的に補給(充電)を行わなければいけません。

各地に設置されている充電スタンドは、日産が提供するWebサービスで検索できます。たとえば、東京中心部にある充電スタンドを調べてみると、以下の図のような結果が表示されました。

東京中心部の充電スタンド

意外と充実していますね。街乗りで利用するだけなら、「充電スタンドが見つからなくて立ち往生した」というトラブルに見舞われるケースは滅多にないと思われます。ただし、これらの充電スタンドをすべて月額2,000円で利用できる訳ではありません。「使いホーダイプラン」に対応する充電スタンドに限定して検索すると、その結果は以下の図のようになります。

遣いホーダイの充電スタンド

都心部の間隔は少しまばらになりますが、それでも「充電スタンドが見つからなくて困る」というほどではありません。あらかじめ充電スタンドがある場所を把握しておけば、月額2,000円で乗り放題を実現することも十分に可能なレベルです。現在のガソリン代と比較すれば、やはり相当に魅力的なサービスといえるでしょう。

 

最大の問題は充電に要する時間

充電スタンドが見つかっても、すべての問題がクリアーになる訳ではありません。というのも、電気自動車の充電はそれなりの時間を要するからです。ガソリン給油のように2~3分で完了とはいきません。

日産のWebサイトによると、「約30分で80%まで充電可能」と紹介されています。ただし、これはあくまで一例であり、急速充電器の仕様現在のバッテリー残量気温などに応じて充電に要する時間は変化します。

一般的には、バッテリー残量が少ない状態から70~80%くらいまで充電するのが最も時間効率がよいと言われています。それ以降は時間効率がどんどん悪くなり、フル充電に達するまでに何時間もの時間を要します。このあたりの理屈は「スマホを充電する場合」と基本的に同じ。ある程度の容量までは短時間で充電できるが、それ以降はなかなか進まない…、というイメージになります。

このような仕様のため、街中にある充電スタンドで100%までフル充電するケースは滅多にありません。そもそも街中にある充電スタンドは30分程度で自動的に充電終了となるように設定されているため、100%の状態まで充電できないケースが大半を占めます。現実的には、時間が許す限り充電量を増やしておくという使い方が中心になります。

 

時間を有効に使う「ながら充電」は可能か?

ここまでの話をまとめると、

  • 充電スタンドの設置は意外と進んでいる
  • 「使いホーダイプラン」対応の充電スタンドなら月額2,000円で使い放題
  • 充電に要する時間は30分程度。ただし、フル充電まではいかない

というのが、このサービスのポイントとなります。ここで最大のネックとなるのは、やはり「充電が終わるまで何十分も待たなければいけないこと」でしょう。買い物や休憩の時間を有効活用できればよいのですが、そんなに都合よく充電スタンドが見つかるとは限りません。

時間を無駄にすることなく充電できる場所としては、高速道路のPAカー用品店コンビニホームセンターなどが挙げられますが、こういった場所に必ずしも充電スタンドが設置されているとは限りません。むしろ、充電スタンドがある店舗のほうが稀有な存在です。さらに、定休日や営業時間外は充電スタンドを利用できない店舗が多いため、「深夜は利用できないかも……」という事態を想定しておく必要があります。

日産が提供している地図を見ると「使いホーダイプラン」で利用できる充電スタンドは結構あるように見えますが、その多くは日産のディーラーです。よって、買い物をしながら時間を有効活用とはなりません。ディーラーに展示されている新車や中古車を見ながら時間をつぶす方法もありますが、それにも限度があります。結局のところ、「読書やゲームをしながら充電が終わるのを待つ」というのが現実的な使い方になるでしょう。つまり、貴重な時間を充電に拘束されてしまうことになります。

そのほか、充電スタンドに先客がいる場合も考慮しておかなければいけません。この場合「先客の充電」が終わってから「自分の充電」を開始することになるため、充電だけで1時間以上の時間を要する可能性があります。

 

電気自動車は自宅で充電するのが基本

このような状況のため、電気自動車のオーナーは自宅で充電を済ませておくという使い方をする人が多いようです。この場合、充電に要する時間は気になりません。夜に充電を開始しておけば、翌朝にはフル充電の状態で車を走らせることが可能です。

もちろん、自宅で充電したときの電気代は自分持ちです。「2,000円で乗り放題」といっても自宅の電気代まで負担してくれるサービスではありません。よって、実質的なランニングコストは、「使いホーダイプラン」(2,000円)+「自宅での充電代」となり、自宅での充電量に応じて2,000円よりも高くなります。

とはいえ、フル充電までに要する電気代は300円程度と言われているので、ガソリン代と比較すれば格安であることに変わりはありません。走行距離にもよりますが、毎月の燃料代(電気代)を1万円以上、年間で10万円以上節約できるケースも少なくありません。ランニングコストの面から考えると、やはり電気自動車はオトクなのです。

ただし、よくよく考えてみると、「使いホーダイプランは本当に必要なのか?」という疑問も生じます。前述したように、充電スタンドの利用は「時間を拘束される」という欠点があります。よって、基本は自宅で充電し、タイミングがあえば街中でも充電する、というのが一般的な使い方になると思われます。

状況によっては、街中で充電スタンドを利用する機会が月に1~2回程度しかないかもしれません。これでは月額2,000円と言われても、あまりオトク感はありません。むしろ「使いホーダイプラン」には加入せずに、そのつど料金を支払って充電スタンドを利用した方が安く済むかもしれません。

 

自宅で充電できるのは一戸建て住宅のみ

自宅での充電についても全く問題がない訳ではありません。基本的に自宅で充電を行うには、専用コンセントの設置ブレーカ容量を確保するための電気工事が必要になります。日産自動車のWebサイトによると、この工事代は9万5,000円前後(※)で、2日間で完了できるとのこと。約10万円の出費になりますが、その後のランニングコストを考えれば十分に元は取れるでしょう。

※各自の状況に応じて工事代金は変動します。

ただし、マンションに住んでいる場合や月極駐車場を利用している場合は、「そもそも電気工事を施工できない」ことに注意しなければいけません。絶対に不可能とは言いませんが、マンションの管理組合や駐車場のオーナーに設置許可を申請する必要があり、さらには工事費用を誰が負担するのか?、毎月の電気代をどのように支払うのか?といった問題を解決しなければいけません。個人レベルでは敷居が高く、現実的な話とはなりません。よって、電気自動車を快適に利用できるのは、戸建住宅に住んでいて、目の前に駐車場がある方が中心になると思われます。

自宅での充電が不可能な場合は、街中の充電スタンドに頼るしか手段がありません。まさに「月額2,000円で乗り放題」という状況になりますが、車を快適に利用できるかは周囲の環境次第。よく行く場所に都合よく充電スタンドが設置されているのなら、検討してみる価値はあると思います。そうでない場合は、選択肢に挙げることすらできません。

 

充電スタンドのさらなる充実に期待

次世代の自動車として電気自動車は魅力的な選択肢の一つですが、充電スタンドのさらなる普及が課題であることに変わりはありません。日本の住環境を考えれば、「自宅充電は不可」という方も多いはず。ガソリン車も自宅では給油できませんが、ガソリンスタンドが充実しているので問題はありません。

さらに、「充電に時間を要すること」が最大の課題といえます。10分程度で充電できるようになれば爆発的な普及も考えられますが、技術的に相当難しいはず。個人的には、各信号の停止線の手前50mくらいに渡って道路に充電設備が埋設されており、赤信号を待っている間に車の床面から充電できれば凄く便利になると思います。たぶん実現は不可能でしょうけれど(笑)。

そのほか、バッテリーの耐久性など色々と問題はあるようですが、電気自動車という選択肢も十分にアリだと思える内容でした。幸いにも自宅は目の前に駐車場があるので自宅充電も可能。これまでは「電気自動車なんて…」と思っていましたが、詳しく調べてみると「もっと注目してもいいのかも!?」と思える内容でした。