ジロ・デ・イタリア 2017とJSPORTS、そしてDAZN
ジロ・デ・イタリア 2017のライブ中継はないに等しい!?
2017年も春のクラシック(ワンデーレース)が終わり、いよいよ5月5日からジロ・デ・イタリアが開幕します。例年どおりならJ SPORTSでライブ中継を楽しめるのですが、今年はジロの放送予定はありません。
自転車ファンの方はすでに知っていると思いますが、今年からDAZN(ダゾーン)が放映権を獲得しているレースがいくつかあり、3大グランツールの一つである「ジロ・デ・イタリア 2017」もDAZNが中継する予定です。といっても、あくまで予定なので、実際に放送するかは知りません・・・。ロンド ファン フラーンデレン(ツール・デ・フランドル)でやらかした実績もありますし(笑)
何はともあれ、個人的にはとっても悲しい状況です。「どうしてもジロを観たい!」となれば、DAZN(ダゾーン)に加入するしか手がありません。でも、仮に加入したとしても、たぶん現地放送(国際映像)を流しているだけで、日本語の実況・解説はないと思われます。
(5/5追記)ジロ・デ・イタリアのライブ放送では、DAZNも日本語の実況・解説を付けるようです。詳しくはこちらの記事を参照してください。
DAZNに加入すべきか? いや、辞めておこう!
前述したように、DAZNに加入すればジロの生中継を観ることも不可能ではありません。しかし、「3時間以上の放送を現地音声のみで流されても・・・」というのが正直な感想。これではレースに没入できませんし、そんなに楽しそうじゃない。
以前は「5月だけDAZNに加入しようかな」と考えていましたが、今後のことを考えて、加入は見送ることにしました。「今年だけ我慢すれば済む話」となることを願って。
DAZNは、ネット配信でスポーツ中継を放送している会社。Jリーグ(サッカー)の中継でも話題を集めていますし、月額1750円で様々なジャンルのスポーツ中継を楽しめます。「ドコモ」や「ひかりTV」のユーザー向けに割引価格も用意されています。
料金だけを見ればJ SPORTSより割安感はありますが、サイクルロードレースに限って言えば、「放映権を獲得して、それを垂れ流しているだけ」。こういう姿勢には、あまり賛同できません。そもそも、サイクルロードレースを観るのに、J SPORTSにも、DAZNにも加入しなければならない、という状況を喜ぶ人は少ないはず。
こういった状況の中、「それでも、ジロは観ておきたい」と思ってDAZNに加入してしまうと、相手の思う壺になるかもしれません。放送権さえ獲得すれば、加入者が増えて利益が上がる、となれば来年以降もジロを含めた主要レースの放映権をDAZNが獲得するかもしれません。
DAZNの運営会社はネット系の企業だけあって、ユーザーの分析をちゃんと行っているはず。個々の会員が「どの競技、どの試合を見るためにDAZNに加入したのか?」といったデータをしっかり集計して「ドライに経営を進めていくのでは?」と個人的には思っています。
となれば、サイクルロードレースにおいては、2017年のDAZNは散々な結果に終わって欲しいと思います。「せっかく高い金を払ってジロの放映権を獲得したのに、たいして加入者が増えなかった」という結果になってくれれば、来年以降、DAZNはロードレースの放映権に興味を示さなくなるでしょう。そして、「サイクルロードレース観るならJ SPORTS」の時代に逆戻りしてくれる可能性が高くなると思います。
ということで、今年のジロはライブ中継を諦めて、ネットニュースで結果だけを楽しむことに決めました。ダイジェスト映像くらいなら、海外のスポーツサイトで見つけられると思いますし。
もちろん、これは個人的な意見なのでDAZNで見たい方はご自由に。「Jリーグも、サイクルロードレースも観たい。外国語放送でも十分に楽しめます」という方には好都合な話だと思いますし。
(5/5追記)ジロ・デ・イタリアのライブ放送では、DAZNも日本語の実況・解説を付けるようです。詳しくはこちらの記事を参照してください。
さいごに・・・
最後になりましたが、スカルポーニのご冥福をお祈りします。実績と実力があり、さらにアグレッシブな走りでレースを盛り上げてくれる存在だったので、今年もその雄姿をジロで見たかった(本当は大人の事情で観れないけれど・・・)。
個人的には、ジロといえば、ガルゼッリとスカルポーニの活躍が楽しみでした。ディルーカやリッコも好きだったけど、色々と問題がありましたからね。4人とも、今後、ジロに出場することはありません。時代は変わりますね。
あと、もしも今年のジロで、別府、新城のどちらかがステージ優勝したとしたら、放映権うんぬんの問題を恨む人がどれくらいいるのだろう? まだ出場するかどうかも分からないし、「優勝して欲しい」とは思うの確かなんだけど、なんか複雑だな。
CICLISSIMO (チクリッシモ) No.53 2017年 04月号 [雑誌] |