ブエルタ・ア・エスパーニャ 2017のコースを過去5年間と比較

ブエルタのコースイメージ

2017年8月19日(土)から開幕するブエルタ・ア・エスパーニャ。毎年のように「山岳コースが厳しい」といわれているブエルタですが、その傾向は年を追うごとに拍車がかかっているように感じます。
そこで、過去5年間と比較して、「カテゴリー山岳の数」「山頂ゴールの傾向」がどれくらい変化しているのかを調査してみました。2017年のブエルタを観戦するときの予備知識として、参考にしてください。

 

増加の一途をたどるカテゴリー山岳

まずは、各年のブエルタの全21ステージに設置されている「カテゴリー山岳の数」について、2012年以降の状況をまとめておきます。

▼カテゴリー山岳の数
  3級 2級 1級 超級 合計
2012年 15 6 12 3 36
2013年 17 7 12 3 39
2014年 15 13 10 2 40
2015年 17 9 16 3 45
2016年 20 15 9 3 47
2017年 22 10 13 4 49
平均 17.67 10.00 12.00 3.00 42.67

今年(2017年)のブエルタは、3級山岳が22個2級山岳が10個1級山岳が13個、そして超級山岳が4個も登場するコースレイアウトになっています。「カテゴリー山岳の数」は全部で49個にもなります。

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2012年からの推移を見てみると、カテゴリー山岳の合計数は、36個、39個、40個、45個、47個、そして今年の49個と、年を追うごとに増加の一途をたどっています。2012年と2017年を比較すると、山岳の数は、

 3級山岳・・・・7個増加
 2級山岳・・・・4個増加
 1級山岳・・・・1個増加
 超級山岳・・・・1個増加

と、いずれのカテゴリーについても山岳の数が増加しています。合計すると、カテゴリー山岳が13個も増加していることになり、約2ステージに1つカテゴリー山岳が追加されている計算になります。

「年々、山岳が厳しくなっている」といわれるブエルタですが、その傾向はデータからも読み取ることができます。

ただし、3級と2級の山岳数が増加傾向にあるだけで、1級、超級の山岳数は特に大きく増えている訳ではありません。コースが厳しくなっているのは確かですが、総合優勝(マイヨ・ロホ)に関わる山岳ではなく、どちらかというと「スプリンターいじめ」になる山岳が増えているのかもしれません。もちろん、「コースのどこに山岳が設置されているか?」によって状況は大きく変化するので、一概には言えませんが・・・。

 

山頂ゴールの傾向は例年通り

続いては、総合優勝に大きく関わる「山頂ゴールの傾向」を見ていきましょう。以下は、2012年以降のブエルタの「山頂ゴールの数」をカテゴリー別にまとめたものです。

▼山頂ゴールの数
  3級 2級 1級 超級 合計
2012年 2 1 3 3 9
2013年 1 1 6 2 10
2014年 0 1 5 2 8
2015年 2 0 4 2 8
2016年 1 2 4 3 10
2017年 2 0 2 4 8
平均 1.33 0.83 4.00 2.67 8.83

毎年のように、8~10ステージほど山頂ゴールが設置されています。個人TTやチームTTを除くと、ブエルタは全ステージの約半数が山頂ゴールです。

今年(2017年)のコースの山頂ゴールは8ステージ。数だけを見れば例年と似たような数字ですが、

 シエラ・デ・ラ・パンデラ(14ステージ)
 オヤ・デ・ラ・モラ(15ステージ)
 ロス・マチュコス(17ステージ)
 アングリル(20ステージ)

といった超級山頂ゴールが計4ステージも設定されています。その反面、1級山頂ゴールは2ステージしかありません。「超級と1級の山頂ゴールを足した数」は例年通り、もしくは若干少なめ、といえます。総合勢にとっては「距離が長くて、斜度が険しい、超級山岳が得意な選手向き」といえるでしょう。

2017年のツール・ド・フランスは「山頂ゴールの数が少ない」コースレイアウトでしたが、ブエルタは「ほぼいつも通り」のコースレイアウトです。山が登れない選手は話になりません。

念のため、ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイトと、YouTubeの公式チャンネルにあるコース映像も紹介しておきます。

▼ブエルタ・ア・エスパーニャ 公式サイト
http://www.lavuelta.com/la-vuelta/2017/us/

 

 

コンタドール、ブエルタで引退!?

ちなみに、今回のブエルタを最後にコンタドールが現役を引退すると報道されています。ここ数年は全盛期の勢いを失っているコンタドールですが、最後にもういちど、あの華麗なダンシングを見せてもらいたいものです。

もうすぐ、スタートリストも発表されますね。今年最後のグランツール。今から楽しみですね。