ブエルタ2017のスタートリスト確定!気になる賞金は?

ブエルタの賞金

ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイトにて、確定版のスタートリストが発表されました。2017年のブエルタは8月19日(土)に開幕。初日の第1ステージは、13.7kmのチームタイムトライアルが行われます。
また、グランツールを見ているときに少し気になるのが、リーダージャージ獲得やステージ優勝の賞金。そこで、スタートリストとあわせて、ブエルタ2017の賞金についても紹介しておきます。

 

今年も総合系の有力選手が集結

2017年大会のスタートリストは、ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイトで確認できます。今回、出場する総合系の主な有力選手は以下のとおり。

 001 コンタドール
 021 クリス・フルーム
 041 エステバン・チャベス
 061 ケルデルマン
 071 ラファエル・マイカ
 081 ロマン・バルデ
 101 ザッカリン
 111 クライスヴァイク
 131 ファビオ・アル
 151 ヴィンチェンツォ・二バリ

このレースでコンタドールは現役引退です。最近は全盛期の勢いを感じられませんが、最後に何かしらの見せ場を作って欲しいものです。「持っている男なら、引退レースで総合優勝するかも!?」と淡い期待をしてしまうのがコンタドールの魅力なのかもしれません。

将来を担う若手にも注目。今年のブエルタにはイェーツ兄弟が揃って出場。ジロで新人賞を獲得したユンゲルスも出場するので、ブエルタにも「新人賞があれば盛り上がるのに・・・」と思ってしまいます。

 015 ボブ・ユンゲルス
 048 アダム・イェーツ
 049 サイモン・イェーツ

もちろん、ほかにも沢山の有力選手が出場します。詳しく見たい方は、以下のリンクからスタートリスト(英語版)を参照してみてください。

Start list - La Vuelta 2017

続いては、あまり語られることのない賞金について紹介してみたいと思います。ブエルタ・ア・エスパーニャの公式サイトにあるレギュレーション・ハンドブックには、選手やチームが授与される賞金についても詳しく明記されています。

 

総合優勝は約1920万円、安い? それとも高い?

まずは、総合成績の賞金から見ていきましょう。最も栄誉のある総合優勝(マイヨ・ロホ)を含め、21ステージ終了後の総合順位に対して授与される賞金は、以下の表のようになっています。
※日本円は1ユーロ=128円として計算。

▼総合成績
  ユーロ
1位 €150,000 ¥19,200,000
2位 €57,000 ¥7,296,000
3位 €30,000 ¥3,840,000
4位 €15,000 ¥1,920,000
5位 €12,500 ¥1,600,000
6位 €9,000 ¥1,152,000
7位 €9,000 ¥1,152,000
8位 €6,000 ¥768,000
9位 €6,000 ¥768,000
10~20位 €3,800 ¥486,400

最終的にマイヨ・ロホを獲得すると15万ユーロ、日本円にして約1,920万円の賞金が授与されます。以降、順位に応じて、約730万円、約380万円、・・・となり、総合20位まで賞金が設定されています。

ポイント賞山岳賞複合賞(コンビネーション賞)の賞金は3位まで。その金額は、それぞれ以下のとおりで、山岳賞だけ少し賞金が高くなっています。

▼ポイント賞
  ユーロ
1位 €11,000 ¥1,408,000
2位 €5,000 ¥640,000
3位 €2,000 ¥256,000

 

▼山岳賞
  ユーロ
1位 €13,000 ¥1,664,000
2位 €6,600 ¥844,800
3位 €3,500 ¥448,000

 

▼コンビネーション賞
  ユーロ
1位 €11,000 ¥1,408,000
2位 €5,000 ¥640,000
3位 €2,000 ¥256,000

総合優勝が約1,920万円であるのに対して、ポイント賞、山岳賞、複合賞は150万円前後の賞金しかありません。4賞ジャージとはいっても、賞金の額だけを見ると、総合優勝が突出していることは否めません。そのほか、総合敢闘賞に3,000ユーロ(約38万円)の賞金も用意されています。

チームに対して授与される賞金もあります。各チーム上位3名のタイムを全ステージについて合計したチーム総合は、8位まで賞金が設定されています。

▼チーム総合
  ユーロ
1位 €12,500 ¥1,600,000
2位 €7,500 ¥960,000
3位 €5,500 ¥704,000
4位 €4,300 ¥550,400
5位 €3,200 ¥409,600
6位 €2,200 ¥281,600
7位 €1,100 ¥140,800
8位 €1,000 ¥128,000

こちらは、総合優勝チームで160万円程度。サイクルロードレースはチーム競技ともいえますが、チームを表彰する賞金はあまり高くありません。

 

各ステージで獲得できる賞金

もちろん、各ステージごとに獲得できる賞金も用意されています。各ステージの順位に対して授与される賞金は以下のとおりです。

▼ステージ順位
  ユーロ
優勝 €11,000 ¥1,408,000
2位 €5,500 ¥704,000
3位 €2,700 ¥345,600
4位 €1,500 ¥192,000
5位 €1,100 ¥140,800
6位 €900 ¥115,200
7位 €900 ¥115,200
8位 €650 ¥83,200
9位 €650 ¥83,200
10~20位 €360 ¥46,080

ステージ優勝すると約140万円の賞金をもらえます。この金額は、最終的にポイント賞や複合賞を獲得した場合と同じ金額。賞金の面から見ても、ステージ優勝は「それだけ価値のある存在」となります。

また、各ステージのリーダージャージ着用者に対する賞金も設定されています。総合リーダージャージ(マイヨ・ロホ)を1日着ると約135万円。ステージ優勝とほぼ同じ賞金を獲得できます。

▼リーダージャージ着用
  ユーロ
総合 €10,500 ¥1,344,000
ポイント €2,000 ¥256,000
山岳 €2,000 ¥256,000
複合 €1,400 ¥179,200

というか、21日間かけて獲得した、最終的なポイント賞(マイヨ・プントス)、山岳賞(マイヨ・モンターニャ)、複合賞(マイヨ・コンビナダ)が11,000~13,000ユーロの賞金しかないことを考えると、

 ・ステージ優勝(各ステージ)
 ・マイヨ・ロホ着用(各ステージ)
 ・ポイント賞(21ステージ通算)
 ・山岳賞(21ステージ通算)
 ・複合賞(21ステージ通算)

の5つが「ほぼ同額の賞金」といえます。少し不思議な気もしますが、それだけステージ優勝マイヨ・ロホが重要視されている、と考えられるでしょう。

ちなみに、ジャージはありませんが、各ステージの新人賞にも150ユーロ(約2万円)の賞金が用意されています。

さらに、各ステージのチーム成績に対して3位まで賞金が用意されています。

▼ステージ・チーム成績
  ユーロ
1位 €400 ¥51,200
2位 €200 ¥25,600
3位 €100 ¥12,800

 

中間スプリント、山岳ポイントの賞金

中間スプリント山岳ポイントにも以下のような賞金が設定されています。ただし、世界的なプロスポーツの賞金というよりは、お小遣い程度の金額でしかありません。ちなみに、各ステージの敢闘賞には200ユーロ(約2万5千円)の賞金が授与されます。

▼中間スプリント
  ユーロ
1位 €550 ¥70,400
2位 €180 ¥23,040
3位 €95 ¥12,160

 

▼チマ・アルベルト(最高標高峠)
  ユーロ
1位 €1,000 ¥128,000
2位 €520 ¥66,560

 

▼超級山岳
  ユーロ
1位 €920 ¥117,760
2位 €615 ¥78,720

 

▼1級山岳
  ユーロ
1位 €460 ¥58,880
2位 €310 ¥39,680

 

▼2級山岳
  ユーロ
1位 €230 ¥29,440
2位 €155 ¥19,840

 

▼3級山岳
  ユーロ
1位 €115 ¥14,720
2位 €80 ¥10,240

 

総合優勝すると賞金のトータルはいくらになる?

以上が、ブエルタ・ア・エスパーニャ(2017年)に用意されている賞金です。色々な種類の賞金があり、少し分かりにくいので、簡単な例を紹介しておきましょう。

たとえば、最終的に総合優勝(マイヨ・ロホ)を成し遂げ、さらに複合賞(マイヨ・コンビナダ)も獲得した選手を例に考えてみます。この選手は21ステージの間に、ステージ優勝を2回ステージ3位を3回という成績を残し、マイヨ・ロホを7日間マイヨ・コンビナダ5日間着用したとします。この場合、賞金の計算は以下のようになります。

  ユーロ 小計
総合優勝 €150,000 1 €150,000
複合賞 €11,000 1 €11,000
ステージ優勝 €11,000 2 €22,000
ステージ3位 €2,700 3 €8,100
マイヨ・ロホ着用 €10,500 7 €73,500
マイヨ・コンビナダ着用 €1,400 5 €7,000

合計すると271,600ユーロで約3,476万円になります。ただし、賞金をチームメイト9名(もしくはチームスタッフも含めた人数)で分けるとなると、1人あたり300~400万円(もしくはそれ以下)の賞金にしかなりません。

山岳ポイントなどの細かな賞金を得られる可能性もありますが、金額が小さいので、合計金額はたいして変わらないでしょう。世界規模のプロスポーツであり、トップレベルの選手が21日間かけて獲得する金額と考えると、決して多い金額とはいえません。ゴルフやテニスなどの人気スポーツと比べると、サイクルロードレースの賞金はやはり少ないといえるかもしれません。